こんにちは!Buzz Fixer編集部の吉井です。
任天堂法務部で訴訟問題などを担当したジョン・カービィ弁護士が死去したと報じられ、話題となっています。
ジョン・カービィ弁護士は、任天堂のゲーム『星野カービー』の名前のモデルともなった人物で、敏腕弁護士としても知られています。
日本を代表する任天堂の訴訟問題で大活躍したその功績などから、日本でもよく名前を知られた人物です。
今回は、突然の訃報が報じられたジョン・カービィ弁護士について取り上げます。
死因:病気(血液がん) ジョンカービィ弁護士が死去
今回の訃報について、ネットメディア『Game Park』などは以下のように報じています。
アメリカの弁護士で、過去の任天堂のアメリカ進出時に起こった『ドンキーコング』関連の裁判で活躍したことで知られるジョン・カービィ氏が、血液がんのため79歳でこの世を去ったことが海外メディアにて報じられました。
訃報は、NYタイムスなどによって報じられました。カービィ氏は、かつて任天堂がファミコン(米国ではNintendo Entertainment System)を展開する前に米国で起こった『ドンキーコング』と「キングコング」の類似性を巡る裁判でも知られています。
当時ユニバーサルにより、「『ドンキーコング』が「キングコング」の著作権を侵害している」として訴えられた任天堂の弁護士として法廷に立った同氏は、「キングコング」自体の著作権が当時既に失効していることを説明し、大きな勝利を遂げました。この活躍により氏は後に「ドンキーコング」の名を冠したヨットを任天堂より送られています。
出典:Game Park
報道にある通り、任天堂の訴訟問題で有名になったジョン・カービィ弁護士が79歳という年齢で死去しました。
死因については、『血液がん』と報じられていますが、白血病ではなく、米メディアなどによると骨髄異形成症候群(MDS)とのことです。
白血病ではありませんが、造血細胞に異常が発生する病気としては似たものと捉えていいでしょう。
骨髄異形成症候群とは?
骨髄異形成症候群(MDS:myelodysplastic syndromes)は、3種類の血液細胞(赤血球、血小板、白血球)の大もとになる造血幹細胞に異常が起こった病気です。赤血球、血小板、白血球がそれぞれ成熟する3系統の過程に同時に異常が発生する場合だけでなく、まずそれぞれの過程に異常が生じて、次第に3系統へと進行していく場合もあります。1つの病気ではなく、複数の似たような病気の集まりと捉えられているため、症候群(syndromes)と呼ばれます。
出典:国立がん研究センター
任天堂法務部最強伝説を作り上げたカービィ弁護士
冒頭の引用文でも言及されている通り、ジョン・カービィ弁護士は任天堂のドンキーコング訴訟で一躍脚光を浴びました。
ジョン・カービィ弁護士は、アメリカで知的財産などに関する弁護で有名で、任天堂が発売したドンキーコングのアメリカ進出時に大きな活躍をしました。
この件については、弁護士ドットコムのコラムで以下のように記載されています。
リンカーン弁護士は辣腕のジョン・カーヴィ弁護士を雇い、任天堂は法廷闘争にのぞんだ。その争いは「7日間続いた」と同書には書かれている。カーヴィ弁護士は反撃に出た。ユニバーサルは1975年、「キングコング」を最初に制作したPKO社を訴えたことがある。ユニバーサルはこの裁判で自ら、「キングコング」の著作権の保護期間は切れ、パブリックドメインに入っていることを証明、勝訴していた。「キングコング」は誰のものでもないことをカーヴィ弁護士は調べ、訴訟の却下を求めた。
この時、ユニバーサルは権利がないと知りながらロイヤルティを求めていくつも訴訟を起こしていた。しかし、ロバート・W・スウィート判事は「ユニバーサルは『キングコング』を所有していない」「仮に所有していたとしても『ドンキーコング』はそのコピーではない」「仮にコピーであっても、それはパロティと考えられ合法である」と厳しく断じたという。この訴訟合戦は結局数年続いた末に、ユニバーサルはすべての訴訟に敗訴。この劇的な勝利が、「任天堂法務部最強伝説」の始まりだった。
この他にも、数々の訴訟問題に勝利してきた任天堂。
任天堂という会社に、人々が寄せ付けられるのは、このような劇的なドラマが数多くあるというのも理由のひとつなのかも知れません。
ネットの反応
今回の報道を受けて、世論はどのように反応しているのでしょうか?
ネットの掲示板などに書き込まれたユーザーの声の一部を紹介します。
間接的とは言え、今の任天堂があるのはカービィ氏のおかげでもある。
裁判で勝ち、カービィという任天堂の看板キャラを生み出すきっかけになったわけだし。
ご冥福をお祈りします。
任天堂には本当に多くのドラマや伝説があるね。
素晴らしい企業だと思うよ。
任天堂の弁護士費用もユニバーサルに支払わせる全面勝訴は見事でした。
裁判に負けていれば多額の賠償金で任天堂は潰れていたでしょうから。
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