こんにちは!Buzz Fixer編集部の吉井です。
作家でドイツ文学者の古井由吉さんが死去しました。
古井さんは村上春樹さんと並んで、ノーベル文学賞に近い人物と称されていただけに、今回の訃報にショックを受ける人も多いようです。
今回は突然の訃報が報じられた古井由吉さんについて、詳しく取り上げていきます。
古井由吉が死去で死因は病気:がん
作家の古井由吉さんが死去 濃密な文体、内向の世代 | 2020/2/27 – 共同通信
主な作品に「槿」「白髪の唄」など。https://t.co/OZpruVgHbI— 共同通信公式 (@kyodo_official) February 27, 2020
古井さんの訃報について、共同通信などは以下のように報じています。
濃密な文体で人間の狂気や生死を見つめた「内向の世代」の作家、古井由吉(ふるい・よしきち)さんが18日午後8時25分、肝細胞がんのため東京都内の自宅で死去した。82歳。東京都出身。葬儀・告別式は近親者で行った。喪主は妻睿子(えいこ)さん。
東大卒業後、ドイツ文学の翻訳を手掛け、30代で作家専業に。「杳子」で1971年に芥川賞を受けた。日常の深部を掘り下げる筆致は「魔術的」とも評され、高く評価された。作家の黒井千次さんらと共に「内向の世代」と呼ばれ、後に芥川賞選考委員を務めるなど、現代日本文学の中心的役割を担った。
報道にある通り、現役作家でドイツ文学者としても活躍した古井由吉さんが亡くなりました。
死因は肝細胞がんとのこと。
ただ、闘病生活や晩年の病状などについては公表されておらず、ファンにとっても突然の訃報となりました。
1991年に椎間板ヘルニアで入院生活を余儀なくされたことは大きく報じられ、その後の作風に影響を与えたとも言われていますが、がんの闘病生活についてはほとんど公表されていませんでした。
ノーベル文学賞目前?
おはようございます☔️
11月19日は作家 古井由吉氏の誕生日。
今年 代表作の『槿』『杳子』『妻隠』を読みました。男と女の微妙に揺れ動く関係を明晰な筆致で表現した作品は蠱惑的な魅力に溢れています。
芥川賞を始め、谷崎、川端文学賞を受賞した実力派。その他の作品もぜひ読んでみたいと思います。 pic.twitter.com/5Thba7FpGt— Love Bird (@ayumi6080304) November 18, 2018
古井由吉さんといえば、日本人でももっともノーベル文学賞に近いうちの1人だと言われてきました。
日本人作家で毎年文学賞の候補に上がる人物といえば村上春樹さんがいます。
村上さんの作品は大衆的で誰もが読みやすいという特徴がある一方、古井さんの作品は非常に難解で読む人を選びます。
日本人が読んでも難解だと感じる作品を翻訳することがそもそも難しいと言われており、この点ではノーベル文学賞の受賞可能性は低いといわれていました。
ただ、日本語の表現を巧みに用いた古井さんは、間違いなく日本人作家のなかでも1、2位を争う実力でした。
古井さんの娘さんは何してる?
河出書房新社『文藝』2012夏号、入荷。特集は古井由吉。堀江敏幸、佐々木中によるロングインタビュー。14人の作家が選ぶ偏愛的「古井由吉他撰作品」。自筆年譜。など。(T) pic.twitter.com/3zgO6JTg
— 戸田書店 静岡本店 (@toda_shizuhon) April 7, 2012
古井さんは睿子(えいこ)さんという一般女性と結婚。
その間には2人の娘さんがいらっしゃいます。
プライベートに関する情報はほとんど公表されていませんが、2018年の産経新聞のインタビューで以下のように記載されていました。
すでに商業誌から小説の依頼もあったし、大学紛争にも嫌気がさして大学を辞めたんです。当時の物価からみれば原稿料もそんなに安くはなかった。とはいえ単行本(の自著)は1冊もないし商業誌に載ったのも2作だけ。妻と幼い娘が2人いる。そんな32歳の自営業なんて、いい度胸ですよ。大学を辞めてから娘を連れて通った団地の公園で、ふっと顔を上げるとたくさんの窓が自分を見下ろしている。
あくまでも一般女性なので何をされているのか?といった詳しい情報は公にされていないようです。
ネットの反応
今回の報道を受けて、世論はどのように反応しているのでしょうか?
ネットの掲示板などに書き込まれたユーザーの声の一部を紹介します。
この方、現役の日本文学の中では一番好きな方だった。
最近ではなかなか小説を読むのが億劫になってしまうのだが
古井さんの小説は素朴ながらもよく練られており
何度読んでも飽きの来ない文章だった。
高校生の頃、学藝書林の「現代文学の発見」という、夜空の星のように誤植をちりばめた斬新な全集に収録された「先導獣の話」で初めてその存在を知りました。
良い読者ではなかったのですが、昨年の「この道」では、深い教養に裏付けられた「末期の眼」とも言うべき穏やかな諦観を感じさせられました。
少々難解ではありますが、現役の作家では最高峰の方だったと思います。ご冥福をお祈りいたします。
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